書籍の詳細

スポーツ・アウトドア
敗者たちのツール・ド・フランス ~ランタン・ルージュ~
著者:マックス・レオナルド(著),安達 眞弓(翻訳)
定価:1980円(10%税込み)
ISBN 9784777815050
単行本(ソフトカバー) 本文288ページ
2015年7月3日初版発行
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最下位で走りきった選手たちの「敗者の美学」ストーリー

世界最高峰のロードレース「ツール・ド・フランス」。毎年7月に行なわれ、23日間で3300km、高低差2000m以上のコースを走り、最終日までに2~3割の選手が脱落するという過酷なレースだ。
本誌は、その勝者ではなく、「ランタン・ルージュ」と呼ばれる最下位で完走した選手=敗者にスポットを当て、エピソードをまとめたスポーツ・ノンフィクション。


プロトンの奥に足を踏み入れると、選手やステージの数だけ物語がある

これまで歴史に名を残すことを目指した選手たちにとって、重ねた苦痛と犠牲はきっと報われただろう(中略)。だが、プロのロードレースはゼロサム・ゲームではない。
勝者の背後には100名あまりの選手が続き、ロードレースのメイン集団であるプロトンに飲み込まれて、ひとりひとりの区別もつかないまま、レースという過酷な駆け引きを繰り広げる。
報われず、好成績が挙げられなくてもひたすら走り、転んでは戻り、ゴールを目指す男たち――
ランタン・ルージュを獲った彼らに尋ねたいと思ったのだ。最下位を貫き通して完走した理由を。自転車から降り、もっと楽で、苦痛を感じずに済む道を選ばなかった理由を。(本文より)


著者:マックス・レオナルド
ライター、アマチュア・サイクリスト。<エスクァイア> <モノクル> <ルーラー> <デイリー・テレグラフ>各紙、<ガーディアン>紙ブログ、<ラファ>などのサイトに執筆しているほか、『シティ・サイクリング・ヨーロッパ』ではテムズ川とハドソン川の頁を担当。著書に[FIXED](Laurence King)がある。自ら進んで1位になったこともなければ、最下位になったこともない。